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【熊王ゼミ】官能評価で魅力を数値化 富士産ほうじ茶シロップ「焙茶香幸」発表会開催


7月7日(日)富士市のレストラン名花堂で、新商品の「焙茶香幸(ほうじちゃこうこう)」の発表会が行われ、商品の味や香りについての官能評価・分析を行った熊王ゼミ生も参加させていただきました。

富士市では「富士市ほうじ茶宣言」を行い(令和3年6月)ほうじ茶のブランド化、ほうじ茶の香りがするまちづくりに取り組んでいることから、新たなほうじ茶シロップ開発に市内の老舗レストランを経営する名花堂が着手。約1年をかけて研究開発し、同市内の齋藤食品工業が製造、富士市在住の熊王教授による官能評価、そして富士地域産業支援センター、富士商工会議所の支援を経て「産官学オール富士」での新商品開発が実現しました。


熊王教授の専門である「感性工学」では、ものづくりにおける人の感性というあいまいな情報を「感性・官能評価」として数値化し分析します。今回は、シロップの味や香りについてゼミ生が官能検査を行い、マグニチュード推定法(※1)を用いた結果をもとに、シロップの最適分量、使い方、キャッチコピーの提案などをしました。

開発・販売者の名花堂代表・野口幸次さんは「シロップを、自分たちの好きな濃さで飲んで満足していたが、官能評価で分析された『おいしい』濃度は違い、これが消費者目線でのおいしさかと、新しい発見があった。今回の分析情報をこれからの販売にもつなげていきたい」と仰っていました。

ほうじ茶を使ったドリンクとデザートの試食を行いました

ゼミの学生が官能検査を行っている様子

ゼミ生たちは「いいなと思う感覚を数値化して商品開発することに携わり楽しかった。食品/味覚の評価は難しかった」(経営学部3年 大久保甚汰さん)、「いろいろ試したが無糖のヨーグルトにかけるのがおすすめ。たくさんの人にこのおいしさを味わってほしい」(経営学部3年 岡田姫佳さん)、「官能検査ではそれぞれ感覚の違いがあり分析に苦労したが、消費者の感覚に寄り添った商品開発ができたと思う」(経営学部3年 高野莉玖さん)と振り返りました。

富士市地域産業センター主査 松葉剛哲さんは「本商品は『オール富士』での商品開発の成功例。官能評価ではおいしさの根拠を示してもらえた」と地域のあらたな特産品の誕生に手応えを感じていらっしゃいました。

「焙茶香幸」は今後、富士ブランド認定品、富士市のふるさと納税返礼品に登録される予定で、返礼品でのパッケージには、大昭和加工紙業(富士市)のセルロースナノファイバー素材(※2)が使われ、デザインは熊王ゼミ生が担当する予定です。

香料・保存料は不使用。ドリンクやデザート、料理の調味料としても、ほうじ茶の味と香りがアクセントになる「焙茶香幸」。ぜひご注目ください!

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「焙茶香幸」200㎖ 972円(税込)
販売・問合せ レストラン名花堂(富士市本町9-18)


※1 マグニチュード推定法:刺激の強さを、決めた基準値に対していくつになるかという比率で数値化する方法。

※2セルロースナノファイバー素材:植物由来の次世代素材。軽さ、強度、耐膨張性など様々な点で優れ、環境負荷が少ない。

掲載誌

  • 静岡新聞   2024年7月10日朝刊
  富士のほうじ茶、シロップに レストラン名花堂 産官学で商品化