経営学部公開講座最終回 フォ−ラム「どうなるトランプの時代」 ~「中東現地報告」の基調講演も~
静岡産業大学は7月8日(土)、経営学部の磐田キャンパスで、「どうなる『トランプの時代』—日本と世界の行方」を考える第24回公開講座の連続5回シリ−ズをしめくくる公開討論会を開催しました。米国にトランプ政権が発足して半年、日本をはじめ世界にさまざまな影響が広がっていますが、「トランプの時代」の先行きはまだ不透明感が漂っています。今回のフォーラムには、地元の磐田市民をはじめ浜松市など県内各地から約80人が参加し、4人のパネリストらと白熱した討論が交わされました。
今回のパネルディスカッションでは、まず第一回目を担当した読売新聞調査研究本部主任研究員の岡本道郎氏(元アメリカ総局長/国際部長)が、「トランプ大統領とマスメディアとの関係はどうなっているのか」という質問に、「トランプ大統領は自らに不都合なニュ−スをフェイクニュ−ス(偽ニュ−ス)と決めつけるなど既存のマスコミとの対立は依然として深刻、でも、ホワイトハウスから遠ざけられているCNNやニュ−ヨークタイムスなどは調査報道を続けており、権力をコントロ−ルして言論の自由を守るなど、『ポピュリズム』的な傾向に警鐘を鳴らす米国の民主主義は健在です」と答えました。
第3回目を担当した本学の鷲崎早雄学長(数理工学)は、フロアから「人工知能(AI)が人間の知能を超えるシンギュラリティ(Singularity/特異性)の時代は本当に到来するのか」との質問に、「これまで機械は人間にとっての道具だったが、この人間と機械の関係の逆転を意味するのがシンギュラリティであるが、AIはあくまでも人間のどこか足りない様々な面を補い、強化するものであり、インタ−ネットが主役の第3次産業革命から、AIやIoT(Internet of Things/あらゆるモノがインタ−ネットにつながるようにすること)が主役を担うインダストリー4.0と呼ばれる第4次産業革命へ至る道のりでは言語の壁を超えて生命の壁の前に直面することとなり、将来の汎用性には自ずと限界点が見える」と指摘しました。また、「IT 時代における教育には何が求められているのか」との質問に、「次世代を担う若者向けには、AIのツ−ルを使いこなす上で物事をしっかりと咀嚼できるような考え方を身に付ける教育、そしてAIの活用講座などを提供できるシニア世代向けの教育にも、大学として力を入れたい」と力説しました。
第4回目を担当した本学経営学部の熊王康宏准教授(経営工学)は、私たちの食生活に欠かせない食品の衛生管理を確保する方法について、国際標準規格として定着している食品の高度衛生管理システム=HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point/危害分析重要管理点)の取り組みを米国、韓国、日本を事例にあらためて詳しく紹介しました。会場からの「HACCPとISO(International Organization for Standardization)の違いは何か」との質問に、「HACCPは食品製造における高度衛生管理のための方法である、ISO22000は食品の高度衛生管理を保証する国際標準プログラムのことであり、日本では厚生労働省のもとで総合衛生管理製造過程に取り組む事業を公開している、ISO22000、総合衛生管理製造過程においても、HACCP方式が用いられており、これからは2020年の東京オリンンピック・パラリンピックを前に食の国際標準化が強まるでしょう」と強調しました。
このフォ−ラムに先立ち、「トランプ時代と中東」と題する基調講演が行われ、本学経営学部の森戸幸次教授(中東研究)は、イスラエル封鎖下にあるガザ地区からの現地報告や、イスラエル占領下にあるヨルダン川西岸地区の最新動向、そして「アラブの春」が起きた直後のシリア調査の様子がスライド写真とともに紹介され、「今日の中東の動乱時代をもたらしたものは何か、これから中東世界はどこへ向かうのか、21世紀の中東世界が入り込んだ長い暗闇のトンネルから抜け出し、将来の希望の光は見いだせるのか、私たち日本(人)は、輸入石油の89%をこの地域に依存して来たが、これからもますます中東世界の動向から目が離せない、やはり、この地域の安定には、動乱時代の根源とも言えるパレスチナ問題の政治解決が欠かせない、トランプ政権の新たな取り組みに期待したい」との希望を語りました。
講座終了後閉講式が開催され、鷲崎学長から今回の講座全5回のうち3回以上ご出席の78名を代表して、磐田市在住の鈴木様に修了証書が授与されました。
最後に、今回の公開講座で本学経営学部の学生が駐車場の案内、受付、受講者の誘導等、炎天のなか活躍してくれました。
学生みなさんに感謝します。
今回のパネルディスカッションでは、まず第一回目を担当した読売新聞調査研究本部主任研究員の岡本道郎氏(元アメリカ総局長/国際部長)が、「トランプ大統領とマスメディアとの関係はどうなっているのか」という質問に、「トランプ大統領は自らに不都合なニュ−スをフェイクニュ−ス(偽ニュ−ス)と決めつけるなど既存のマスコミとの対立は依然として深刻、でも、ホワイトハウスから遠ざけられているCNNやニュ−ヨークタイムスなどは調査報道を続けており、権力をコントロ−ルして言論の自由を守るなど、『ポピュリズム』的な傾向に警鐘を鳴らす米国の民主主義は健在です」と答えました。
第3回目を担当した本学の鷲崎早雄学長(数理工学)は、フロアから「人工知能(AI)が人間の知能を超えるシンギュラリティ(Singularity/特異性)の時代は本当に到来するのか」との質問に、「これまで機械は人間にとっての道具だったが、この人間と機械の関係の逆転を意味するのがシンギュラリティであるが、AIはあくまでも人間のどこか足りない様々な面を補い、強化するものであり、インタ−ネットが主役の第3次産業革命から、AIやIoT(Internet of Things/あらゆるモノがインタ−ネットにつながるようにすること)が主役を担うインダストリー4.0と呼ばれる第4次産業革命へ至る道のりでは言語の壁を超えて生命の壁の前に直面することとなり、将来の汎用性には自ずと限界点が見える」と指摘しました。また、「IT 時代における教育には何が求められているのか」との質問に、「次世代を担う若者向けには、AIのツ−ルを使いこなす上で物事をしっかりと咀嚼できるような考え方を身に付ける教育、そしてAIの活用講座などを提供できるシニア世代向けの教育にも、大学として力を入れたい」と力説しました。
第4回目を担当した本学経営学部の熊王康宏准教授(経営工学)は、私たちの食生活に欠かせない食品の衛生管理を確保する方法について、国際標準規格として定着している食品の高度衛生管理システム=HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point/危害分析重要管理点)の取り組みを米国、韓国、日本を事例にあらためて詳しく紹介しました。会場からの「HACCPとISO(International Organization for Standardization)の違いは何か」との質問に、「HACCPは食品製造における高度衛生管理のための方法である、ISO22000は食品の高度衛生管理を保証する国際標準プログラムのことであり、日本では厚生労働省のもとで総合衛生管理製造過程に取り組む事業を公開している、ISO22000、総合衛生管理製造過程においても、HACCP方式が用いられており、これからは2020年の東京オリンンピック・パラリンピックを前に食の国際標準化が強まるでしょう」と強調しました。
このフォ−ラムに先立ち、「トランプ時代と中東」と題する基調講演が行われ、本学経営学部の森戸幸次教授(中東研究)は、イスラエル封鎖下にあるガザ地区からの現地報告や、イスラエル占領下にあるヨルダン川西岸地区の最新動向、そして「アラブの春」が起きた直後のシリア調査の様子がスライド写真とともに紹介され、「今日の中東の動乱時代をもたらしたものは何か、これから中東世界はどこへ向かうのか、21世紀の中東世界が入り込んだ長い暗闇のトンネルから抜け出し、将来の希望の光は見いだせるのか、私たち日本(人)は、輸入石油の89%をこの地域に依存して来たが、これからもますます中東世界の動向から目が離せない、やはり、この地域の安定には、動乱時代の根源とも言えるパレスチナ問題の政治解決が欠かせない、トランプ政権の新たな取り組みに期待したい」との希望を語りました。
講座終了後閉講式が開催され、鷲崎学長から今回の講座全5回のうち3回以上ご出席の78名を代表して、磐田市在住の鈴木様に修了証書が授与されました。
最後に、今回の公開講座で本学経営学部の学生が駐車場の案内、受付、受講者の誘導等、炎天のなか活躍してくれました。
学生みなさんに感謝します。