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経営学部公開講座 第3回「IT革命の将来・IoTとは何か ~『第4次産業革命』の時代を考える~」


 静岡産業大学は6月24日(土曜)、経営学部の磐田キャンパスで、「IT革命の将来—IoTとは何か:情報」からの視点」をテーマに第3回公開講座を開催しました。「どうなるトランプの時代 — 日本と世界の行方」を考える連続5回シリ−ズ講座の第3弾で、前回の「グロ−バル化」時代の歴史的、思想的な背景への理解を踏まえつつ、これを推進する原動力ともいえるIT(情報技術)革命の過去、現在、将来について考えました。今回の講座には、地元の磐田市民をはじめ県内各地から約「90人」が受講、2時間にわたって講師からの基調講演と質疑応答などで白熱した討論が行われました。

 第3回目は、本学の鷲崎早雄学長(数理工学/情報産業論)が担当、基調講演で、私たちは今日、IT革命の急速な進展とともに人工知能(AI/Artificial Intelligence)が進化して、日本をはじめ世界中で21世紀の産業経済に根底から変化を引き起こすような「<第4次>産業革命」の扉の前に立たされており、こうした「インダストリー4.0」と呼ばれる時代は、社会のインフラとなる情報・通信・技術が人間と機械との関係を大きく変えていく可能性があり、私たちの暮らしぶりや仕事にもさまざまな影響が及んで来ると指摘しました。

 鷲崎学長によると、私たちの暮らし向きにとって「もの」のインタ−ネット化がさまざまな恩恵をもたらし,車、テレビ、家電などの日常用品、スマホ、時計、眼鏡などの身に着けるツ−ル、さらには財布、靴にいたるまであらゆる「もの」をインタ−ネットにつなげるようにする「IoT」(Internet of Things)が応用され、いまやインタ−ネットにつながる「もの」は90億個(2014年)、2020年には500億個になるとの試算も。こうして膨大なデ−タが「ビッグデータ」として蓄積されると、コンピュ−タでつながった「もの」から新しい価値を生み出すための競争がなされ、サプライチェーン、血液製剤、個体識別機能など、家庭への活用も見込んだ産業化の大きな流れが強まっているということです。

 こうした2030年ごろと予想される「<第4次>産業革命」の近未来の到来は私たちをどこへ連れて行くのだろうか。鷲崎学長は「人間の労働形態を大きく変化させる可能性がある。人間がしている仕事を機械に置き換えることにはさまざまな制約がある」と指摘した上で、専門家の意見を紹介し、(1)クリエイティビティ(創造性)、(2)マネ−ジメント系(経営管理)、(3)ホスピタリティ系(もてなし)— などの分野の仕事は、IT革命が主導する「グロ−バル化」時代に生きる私たちの強みになるだろう」と強調しました。

 質疑応答では、AIは人間を超える時代がやってくるのか、AIの汎用性、IoTの産業化の在り方などをめぐって活発な論議が交わされました。

 次回の第4回公開講座は7月1日(土曜)、「<ものづくり>のグローバル化とその実体—食品製造からの視点」をテ−マに、本学の熊王康宏准教授(経営工学)が基調講演する予定です。