【BiViキャン】第11回公開講座「共生社会に向けて、美術館にできること!」を開催しました
今年度【BiViキャン公開講座】は、昨年に引き続き、藤枝市「生きがい創出事業」の受託事業として開催しています
講師 静岡県立美術館館長
木下 直之 氏
1月23日(日)BiViキャンは、静岡県立美術館館長 木下直之氏を講師にお招きし、「共生社会に向けて、美術館にできること!」公開講座を開催しました。
美術館は芸術を鑑賞する高尚な場所だと考えられてきました。古くは啓蒙、 近くは教育の場所でした。しかし、教育から学習、一方向から双方向へと発想を変えれば、美術館は多様な人々の多様な表現にふれる場所であることに気づきます。美術館が、共生社会の実現に向けて寄与できることなどについて、木下館長からご講演いただき、22名の参加者が熱心に耳を傾けました。
美術館は芸術を鑑賞する高尚な場所だと考えられてきました。古くは啓蒙、 近くは教育の場所でした。しかし、教育から学習、一方向から双方向へと発想を変えれば、美術館は多様な人々の多様な表現にふれる場所であることに気づきます。美術館が、共生社会の実現に向けて寄与できることなどについて、木下館長からご講演いただき、22名の参加者が熱心に耳を傾けました。
以下は、講演の一部です
- トーベ・ヤンソン(1914-2001)が悲惨な戦争の混乱の後に描いた「ムーミン」には、他者の存在を認める、他者をいかに理解するかというものが底辺に流れている。
- 世界は障壁を除くバリアフリーから、全てのひとのためのデザインであるユニバーサルデザインに移行してきており、排除から包摂の時代を迎えている。
- 障がい者が、義足や義手を見せずに手足があるように見せていた時代から、義足や義手を堂々と見せ、健常者とともに行動する時代に変わりつつある。
- 今では、車いすに乗ったり、義足をつけたバービー人形までもが登場している。
- 「立つ・歩く・走る—義足でこえる心の壁」展が開催された。しかし、今回の東京パラリンピックでは、道具を使わずに競泳する選手の姿があり、選手は、車椅子を使わなくて良い行動に喜びを表わし、従来にも増して可視化が進んだ大会となった。
参加者からは次の言葉が寄せられました
- 他者の存在を認める~原点に帰る~大事なことに気づきをいただいた。とても良い視点の講演で、感銘するとともに楽しい時間だった。
- 共生社会に向けて、美術館で既に多くのものが提示されている事を知り、美術館の新しい意図に触れることが出来た。
- 排除アート(何かを排除するためのアート)を設置する前に、他の対策をとることは出来なかったのかと、深く重く考えさせられた。
- ジェンダー、ダイバーシティ等現在の社会的な問題を、異なる角度から考えることが出来た。そこに新たな発見があった。
- 共生社会は大事であり、テーマとして取り上げていただき感激した。共生社会に向けたアートについて、もっと多くの人たちに注目して欲しい。
【BiViキャン公開講座】2月ご案内
「講座案内」HP開きます