グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  Q静岡を学ぼう >  一般的にプロサッカー選手は1試合に約9~13km程度を走ると言われていますが、ゴールキーパーは1試合でどれくらい走る(移動する)でしょうか?

一般的にプロサッカー選手は1試合に約9~13km程度を走ると言われていますが、ゴールキーパーは1試合でどれくらい走る(移動する)でしょうか?


A約2km以下、B約2~4km、C約4~6km 正解:C約4~6km 以下中西教授の解説

情報技術の発展・普及により、スポーツの世界でも近年は情報機器を用いたデータの収集や分析が積極的に行われるようになっています。Jリーグでも約7~8年ほど前からGPS(全地球測位システム)を用いて、それぞれの選手が動いた軌跡や距離、スピードなどを測定するチームが増えてきました。

その結果、ゴールキーパーは他のフィールドプレーヤーの半分ほどの距離を走って(移動して)いることが明らかになっています。これは攻撃的なチームではスペースを埋めるためにゴールキーパーが上がったり下がったり、ディフェンスでボールを回すときにゴールキーパーも参加したりするといった行動が大きく影響し、チームの戦術によって左右されるところも大きいのですが、「意外と走ってるんだな」という感想を持たれた方も多いのではないでしょうか。

こうした情報機器によって得られるデータは、選手がどれくらい疲れたかといったパフォーマンスの管理に活用され、交替のタイミングなどケガの防止に役立てられています。

プロ選手の動きを数値化して高校生などの目標にする

中西健一郎教授の専門はスポーツコーチングやアスリートのコンディショニングといった分野。クイズでも取り上げたGPSによって得られるデータを有効的にどう扱っていくかということを主に研究しています。一方、GPSが普及する以前から現場では、キーパーは他のフィールドプレーヤーの半分くらい走っているだろうという感覚的な認識があったことから、人間が持つ感覚や経験と科学的データを生かしてアスリートの進化をサポートする研究を行っています。また、プロサッカー選手が実際に行った体力テストの結果を検証したり、さらにサッカーのゲーム自体が体力づくりにどれくらい役立っているのかといったことをデータ化して、育成年代の選手でも効率よくトレーニングが実践できる環境の構築にも取り組んでいます。

スポーツ科学部中西 健一郎 教授
修士(体育学)。ドイツ国立ケルンスポーツ大学研修生を経て筑波大学大学院体育研究科コーチ学専攻修了。筑波大学付属駒場中学校・高等学校教諭を務めた後、セレッソ大阪、栃木サッカークラブでトップチームフィジカルコーチを歴任。東海大学准教授を経て2018年4月より静岡産業大学経営学部准教授に着任。2020年4月経営学部教授となり、2021年4月よりスポーツ科学部教授。

専門分野
コーチング、スポーツコンディショニング、サッカー、トレーニング科学、保健体育科教育学
研究テーマ
・サッカーコーチング
・デンマークにおける育成年代選手のサッカー環境についての調査
・スポーツコンディショニング