静岡県には香り豊かな名産品が数多くありますが、次のうち科学的に「穏やかさ」を最も強く感じるとされる品目はどれでしょう?
「いい香り」や「キレイな見た目」、「心地いい音」など、人が五感で捉える曖昧で複雑な感性を、心理学や統計学などの科学に基づいて客観的な数値で可視化する手法を「感性評価」といいます。
この感性評価を用いた研究では、静岡県の地域を代表する緑茶やメロン、ミカン、バラの香りについて、「明るい」「清潔な」「力強い」といった22の評価項目を設定し、さらに主成分分析も交えて人がどの香りにどんな印象をもつのか統計解析しました。
その結果、緑茶の香りは「穏やかさ」を感じさせることがわかりました。その他、メロンは「活動的」、ミカンは「清々しさ」、バラは「理知的」といった印象をもたらすこともわかりました。
この感性評価を用いた研究では、静岡県の地域を代表する緑茶やメロン、ミカン、バラの香りについて、「明るい」「清潔な」「力強い」といった22の評価項目を設定し、さらに主成分分析も交えて人がどの香りにどんな印象をもつのか統計解析しました。
その結果、緑茶の香りは「穏やかさ」を感じさせることがわかりました。その他、メロンは「活動的」、ミカンは「清々しさ」、バラは「理知的」といった印象をもたらすこともわかりました。
職人の技能を可視化して伝承
工学博士である熊王康宏教授の専門分野は「経営工学」「心理評価」「マーケティング」。研究では感性・官能評価によって「感動」をもたらす「ものづくり」とその応用技術について、多変量解析法・曲線描画法を駆使して解明しています。ゼミナールでは、そこから得られたデータやノウハウが企業の商品開発や広報、マーケティングにどう生かされているのか学び、人の感性という曖昧な情報が支える大きな役割を考えています。また経験価値創造によるマーケティング、エモーショナルブランドの確立も研究中。この手法を用いて、これまで「曖昧・感覚的」なものとして、人に伝えるのが難しかった職人の技能を、客観的な数値や言葉で伝承する試みも行っています。
経営学部/熊王 康宏 教授 博士(工学) 金沢工業大学大学院工学研究科(博士前期課程)修了 総合研究所 副所長 ● 研究テーマ ・感性評価による商品品質の研究 |