「人生成功の秘訣は毎日の生活習慣」
近年、子どもの体力が低下していて、低水準にあります。例えば、背筋力は現在の男子はかつての女子レベルと報告する研究もあります。そして体力は学力とも経済力とも、そして人生を豊かに歩むための力とも関連しています。
体力上位県と下位県で比較してみると、運動習慣に差が見られますが、朝食の喫食率やテレビの視聴時間にも差が見られ、低体力県は朝食喫食率が低く、3時間以上テレビを見る家庭・子どもの割合が高く、家庭での生活習慣が影響しています。朝食欠食は体温や脳の温度の低下を引き起こしやすいし、自律神経失調状態に陥りやすいのです。
また教育においては、上位県は「運動が好き、楽しい、上達した、将来授業が役立つ」との回答率が高く教師の授業力が高いことが判明しています。さらに学校の取り組みだけでなく、各都道府県の教育行政にも違いがみられます。調査の結果、体力と学力には相関があり、福井県や秋田県はともに高水準なことがわかっています。加えて生活習慣も大きな影響を与えていることがわかってきました。
テレビ・パソコン・携帯電話・スマホなどの登場と同時に子どもの外遊びは減少し、室内での遊びが激増しています。そのため近年の子どもは多様な経験が圧倒的に不足しています。大人約5,000人に対する調査では、子ども時代に「外遊び、自然体験、掃除、お手伝い、動物とのふれあい」などを経験した人たちほど規範意識が高く心優しくチャレンジャブルで様々な文化に触れる生活をしていることが判明しています。ところが私たちのK県E市における約1万人を対象とした調査では、小学校から中学校に至る9年間に、遅寝・遅起き・朝食欠食などが多くなり、それとともに「眠い・だるい・おなかが痛い・頭が痛い、やる気が起きない」などの不定愁訴が増加し、中学3年生では二人に一人が上記のような状態となっています。
体力上位県と下位県で比較してみると、運動習慣に差が見られますが、朝食の喫食率やテレビの視聴時間にも差が見られ、低体力県は朝食喫食率が低く、3時間以上テレビを見る家庭・子どもの割合が高く、家庭での生活習慣が影響しています。朝食欠食は体温や脳の温度の低下を引き起こしやすいし、自律神経失調状態に陥りやすいのです。
また教育においては、上位県は「運動が好き、楽しい、上達した、将来授業が役立つ」との回答率が高く教師の授業力が高いことが判明しています。さらに学校の取り組みだけでなく、各都道府県の教育行政にも違いがみられます。調査の結果、体力と学力には相関があり、福井県や秋田県はともに高水準なことがわかっています。加えて生活習慣も大きな影響を与えていることがわかってきました。
テレビ・パソコン・携帯電話・スマホなどの登場と同時に子どもの外遊びは減少し、室内での遊びが激増しています。そのため近年の子どもは多様な経験が圧倒的に不足しています。大人約5,000人に対する調査では、子ども時代に「外遊び、自然体験、掃除、お手伝い、動物とのふれあい」などを経験した人たちほど規範意識が高く心優しくチャレンジャブルで様々な文化に触れる生活をしていることが判明しています。ところが私たちのK県E市における約1万人を対象とした調査では、小学校から中学校に至る9年間に、遅寝・遅起き・朝食欠食などが多くなり、それとともに「眠い・だるい・おなかが痛い・頭が痛い、やる気が起きない」などの不定愁訴が増加し、中学3年生では二人に一人が上記のような状態となっています。
こうした実態を受けたE市は市を挙げての取り組みをしたところ、さまざまな改善が見られ、体力はK県でも最高水準となりました。これは取り組みの成功例の一つですが、全国ではこのような成功例は数多くあり、こうした取り組みの有無あるいは影響も、子ども・学級・学年・学校・地域の差ともなっています。
「運動すると体ができる」は運動生理学的には正しくありません。実は、運動によって筋肉は破壊され、骨にはマイクロクラック(微細骨折)が起き、赤血球も壊されます。しかしその後、原材料を食事でしっかりとり、睡眠をとることによって、タンパク合成が進み、骨形成が促進され、赤血球が再生されていきます。夜になると、脳の松果体から眠りを促す「メラトニン」が分泌され、その約1時間後には脳下垂体から成長ホルモンが大量に分泌され、この時に破壊された筋肉・骨・血液は再生されるのです。つまり、「寝る子は育つ」は生理学的にも正しいとも言えます。しかし最近は遅寝遅起きと就床時刻と起床時刻の遅延化が起き、また睡眠時間の短縮傾向が顕著となっています。
近年の脳科学研究では睡眠や運動と海馬(記憶の中枢)は関連しており、よく寝た子どもの海馬は不適切な睡眠の子どもより約10%太いことや、1年間の持続的な運動習慣のある人たちの海馬が太くなることなどが報告されていて、睡眠や運動と学力の関係も証明されつつあります。
約8時間の睡眠の子どもの学力が最も高く、寝過ぎも寝不足も低い。また「うつ」スコアを調査した研究では7時間程度の睡眠の大人が最もうつスコアが低いことや、別の研究でも糖尿病の罹患率が低いことが判明しており、子どもから大人まで、適切な睡眠は我々の健康にとってきわめて大切な生活習慣といえます。
運命や人生は良いものでありたい。しかしこれらを変えることは容易でありません。一方、習慣は今日からでも変えられます。中国の故事を参考にした風車理論を最後に紹介します。習慣を変えれば行動が変わり、行動が変われば態度が変わり、人格・心・豊かさと変わり、次々と風車のように回っていくのです。
「運動すると体ができる」は運動生理学的には正しくありません。実は、運動によって筋肉は破壊され、骨にはマイクロクラック(微細骨折)が起き、赤血球も壊されます。しかしその後、原材料を食事でしっかりとり、睡眠をとることによって、タンパク合成が進み、骨形成が促進され、赤血球が再生されていきます。夜になると、脳の松果体から眠りを促す「メラトニン」が分泌され、その約1時間後には脳下垂体から成長ホルモンが大量に分泌され、この時に破壊された筋肉・骨・血液は再生されるのです。つまり、「寝る子は育つ」は生理学的にも正しいとも言えます。しかし最近は遅寝遅起きと就床時刻と起床時刻の遅延化が起き、また睡眠時間の短縮傾向が顕著となっています。
近年の脳科学研究では睡眠や運動と海馬(記憶の中枢)は関連しており、よく寝た子どもの海馬は不適切な睡眠の子どもより約10%太いことや、1年間の持続的な運動習慣のある人たちの海馬が太くなることなどが報告されていて、睡眠や運動と学力の関係も証明されつつあります。
約8時間の睡眠の子どもの学力が最も高く、寝過ぎも寝不足も低い。また「うつ」スコアを調査した研究では7時間程度の睡眠の大人が最もうつスコアが低いことや、別の研究でも糖尿病の罹患率が低いことが判明しており、子どもから大人まで、適切な睡眠は我々の健康にとってきわめて大切な生活習慣といえます。
運命や人生は良いものでありたい。しかしこれらを変えることは容易でありません。一方、習慣は今日からでも変えられます。中国の故事を参考にした風車理論を最後に紹介します。習慣を変えれば行動が変わり、行動が変われば態度が変わり、人格・心・豊かさと変わり、次々と風車のように回っていくのです。