グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  リレーエッセイ >  アスリートヘルスケア

アスリートヘルスケア


アスリートヘルスケア スポーツ科学部/講師 中井真吾

※職位や内容は投稿時のものです

2022年3月15日更新

 2021年5月から本学の体操競技女子チームのトレーナーとして、サポートを始めた。今までは、バスケットボール、ラグビー、陸上競技に関わってきたので、体操競技に関わるのは初めての経験である。
 トレーナーとして、一つの競技・チームで活動を開始するには、ケガの知識や技術があれば良いわけではなく、競技特性や練習の内容、一年間のスケジュール(大学であったら4年間)、怪我の状況、さらには各スポーツに存在する特有のルール(しきたり)など様々なものを把握する必要性がある。
 体操競技の種目は、男子では床、跳馬、平行棒、鞍馬、鉄棒、吊り輪と6種目であるのに対して、女子では、床、跳馬、平均台、段違い平行棒と4種目である。体操競技に関わるまでは、ちゃんとした認識がなかったが、よくよく見るとほぼ違う競技である。
 ケガの状況では、腰、膝、肩、首のケガなどにケガが慢性的なものから、突発的なものまで発生していて、ラグビー部で経験したケガと似通っている傾向にあり、想像していたよりも重症なケガが多い印象であった。
 また、生活調査では、授業はもちろんのこと、夕方からの練習、そしてその後の深夜までのバイトと多忙な毎日を送っていることが分かった。
 この調査を通して、大学生アスリートが、勉学と競技活動の両立、ケガなどの身体的な不安を抱え、過酷な日々を送っていることに気づかされる。

 さて私の専門領域はスポーツ医学であり、主な研究テーマは、スポーツの外傷障害予防を含んだアスリートヘルスケア(主に筋・骨格系)である。
 ヘルスケアとは、『健康の維持や増進のための行為、健康管理』であるが、スポーツ選手においては、良いパフォーマンスを発揮するために、怪我を予防したり、栄養、睡眠などのリカバリーを実践したりすること等々である。
 現在、体操部女子チームでは、ヘルスケアの取り組みとして、ケガの予防や栄養指導、リカバリーなどの活動を始めたが、経済面も含めた周囲の環境設定まで手が届いておらず、まだまだ発展途上にあり、これからのアスリートヘルスケアをどうするか、現在思案中である。

 平均台の上を華麗にバク宙する彼女たちを尊敬しつつ、気持ちよく練習できるように支援していきたい。